人間は、肉・魚・植物・穀物、いろいろなものを食べることのできる雑食です。

食べることでエネルギーを補給し、生活しています。

ですが、なんでもかまわずに食べられるのかといえば、そうではありません。

腐ったものや、人にとって毒となるものを口にすれば、体にとってはダメージを受けたり、死亡してしまうこともあります。

それを避けるために、味を感じるための味覚は、大切な感覚として進化してきました。

ただの、おいしさを判断するための感覚ではなく、危険を感じ取るための感覚なのです。

食べ物を食べていて、変に苦みを感じたり、変に酸味を感じたりして、吐き出したりといった経験もあると思います。

これは味覚が「これは有害かも!?」と、危険を察知してくれているからです。

人間が味覚として識別できるのは、苦味・酸味・塩味・甘味と、うま味の5つ、五基本味とされています。

そして味覚は、苦味に対して一番敏感に感じとり、次に酸味になります。

これは、苦味を感じるものに有害なものが多く、酸味は食物が腐敗したときに発生しやすいからです。

ちなみに辛味は、痛みなどと同じような刺激として、口腔内で痛覚や温度覚としての感覚なので、基本味とは別のものとされています。


そして味覚を感じ取るのは、舌をはじめ、上あご、咽頭、喉頭にある味蕾という感覚器になります。

舌の表面には、丸いブツブツとした小さな突起(乳頭)があり、味蕾はその中にあり、味蕾の中には未細胞が並び集まっています。

味覚


味蕾で感知した味覚の情報は、未細胞で電気信号に変換され、延髄から視床を経由し、大脳皮質にある一次味覚野に送られます。

そして一次味覚野で、味として認識されます。

味覚情報の一部は、視床を経由せずに、「好き・嫌い」などの情動にかかわる扁桃体に送られたりします。


さらには食欲の中枢、摂食中枢と満腹中枢のある視床下部に送られ、そこで「もっと食べたい」とか「お腹いっぱい」などの信号を出します。

このように、私たちに危険を教えてくれるだけでなく、「美味しさ」というとても素晴らしい贈り物をしてくれている「味覚」。


今日も、そんな自分の体と脳に感謝です!(#^.^#)