前回でもお話させていただきましたが、神経細胞(ニューロン)同士の情報は電気信号でやり取りされています。
ですが、神経細胞(ニューロン)同士のつなぎ目をシナプスというのですが、そのつなぎ目は直接つながっているのではなく、数万分の1ミリほどの隙間(シナプス間隙)があるために、電気信号が通ることができません。
そのため、シナプス間隙を渡り時には、電気信号の代わりに神経伝達物質という化学物質が使われることになります。

神経伝達物質には神経細胞を興奮させるものとものと、抑制させるものものがあります。
興奮させるものでは、グルタミン、ドーパミンなど、抑制させるものでは、γ-アミノ酪酸(GABA)などがあります。
これらの神経伝達物質のバランスが崩れることで、精神的な疾患をきたすことが指摘されています。
その神経伝達物質のなかでも、よく耳にすることがあるものを代表にあげてみましょう。

ドーパミン
精神活動を活発にして快感を与える物質になります。
私たちが「何かをしよう」という意欲を持ったときにドーパミンが放出されて、それが快楽感につながると言われています。
過剰な放出が起きることで、思考などを担当する脳部位が反応すると、幻聴や幻視などの幻覚や妄想といった症状を作り出してしまうこともあります。
また逆にドーパミンの放出量が少なくなると、意欲の低下や認知機能障害などの症状が現れる場合もあります。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは、気分を高揚させ、脳をしっかり覚醒させるための神経伝達物質といわれています。
また血圧の上昇にも関係しています。
ノルアドレナリン量が過剰になると、不安や恐怖、あせりや苛立ち、取り乱す状態が出現し、代謝物であるアドレナリンも増えることで、脈が速くなったり冷や汗などが出現し、その不安やあせりは助長されることになります。
グルタミン酸
学習や記憶などに対する重要な役割を果たします。
グルタミン酸の正常な神経刺激が与えられると、神経細胞同士のつながりが強固になり、記憶が保持されると考えられています。
しかし、その反面、神経刺激が過剰になると、神経細胞が興奮しすぎることで、その刺激に耐えられなくなり、神経細胞が自ら死を選ぶことが知られています。
これを、グルタミン酸の神経興奮毒性と呼ばれていて、アルツハイマー病などの原因になっているのではと考えられています。
γ-アミノ酪酸(GABA)
γ-アミノ酪酸の精神活動としての機能は、興奮を抑制することです。
不安を静めたり、睡眠をうながしたりする働きがあります。
このγ-アミノ酪酸とグルタミン酸の機能は真逆ですが、γ-アミノ酪酸は、グルタミン酸からつくられることがわかっています。
セロトニン
セロトニンは、脳の覚醒や活動を抑える役割をします。
他の神経伝達物質によって行われる精神活動を監視するように、不安定な状態を見つけたら補正して、精神状態の安定化を図ります。
セロトニンの量が不足すると、さまざまな症状を引き起こすと言われています。
精神活動としては、抑うつ気分、不安、パニック発作、睡眠障害などを引き起こすと考えられています。
今回挙げた神経伝達物質は一部の代表的なものですが、これら神経伝達物質のバランスが保たれることで、脳は健全に機能しているいっていいのではないでしょうか。
