音は、基本的には物体の振動によって生じた空気の振動(音波)であり、その空気の振動を感じ取り、音として処理するのが聴覚になります。

人間が音として聞き取れる音波は、年齢などさまざまな理由で誤差はありますが、20Hzから2万Hzの間の周波数といわれています。

耳から入った空気の振動(音波)は、外耳道を通り鼓膜を振動させます。

鼓膜の奥には、3つの小さな骨が並ぶ耳小骨があり、鼓膜の振動を、並んだ3つの骨が順番に振動することで増幅させ、蝸牛に伝わります。

蝸牛はカタツムリの形に似ていることからその名がつけられ、ここで振動が電気信号に変換されます。

蝸牛で電気信号に変換された情報は、聴神経から延髄を通り、視床の内側膝状体を経由(視覚は外側膝状体を通ります)し、大脳皮質にある一次聴覚野に伝達され、ここでようやく音として認識されることになります。

外耳道


一次聴覚野に送られてきた音が言語の場合は、そこから言語中枢に送られます。


私たちが過ごす日常の中では、絶え間なく音というものがあふれています。

車が走り抜ける音、人のしゃべり声、エアコンの音など、さまざまな音が耳に入ってきます。

ですが私たちは、これらすべての音を同等に認識しているわけではありません。

目で見る視覚のときも、いま自分に必要なものだけを選択し、見ることができるといいましたが、聴覚でも同じです。

自分にとって、いま必要な音と必要ではない音を区別して、聞き分ける力があるのではないでしょうか。

たとえば、騒がしい街の雑踏の中でも、自分と会話している人の話し声だけをピックアップし、聞き取ることができたり、自分の携帯電話が鳴れば、そこに意識を向けることができるという、自分にとって必要な音だけを選別し、聞き取るという、とてもスゴイ能力をもっています。

小鳥さんたちのさえずりや、風の音、そして心地の良い音楽や、やる気にさせてくれるような音楽が聴けるのも「聴覚」のおかげ。視覚にしても聴覚にしても、いつもこれだけきめ細やかな働きをしてくれている、なんとありがたいことでしょう。


今日も、そんな自分の体と脳に感謝です。(^_-)-☆