人間の脳は、様々な器官が複雑に組み合わさって成り立っているのですが、おおまかには「脳幹」「小脳」「大脳」の3つの主要器官に分けられます。

脳の構成

脳の一番奥深くに位置するのが「脳幹」で、生命を維持するための脳といわれています。

「脳幹」は「間脳」「中脳」「橋」「延髄」からなり、呼吸や、睡眠、血液の流れ、発汗など、さまざまな生命維持のための機能をつかさどっています。

「最も原始的な脳」「爬虫類型の脳」と呼ばれ、脊椎動物すべてに共通する脳で、両生類、爬虫類、哺乳類にかかわらず、脳幹においては類似した形状をもっているのが特徴です。

「小脳」は、脳の中で2番目に大きい部位で、主に内耳からの平衡感覚や筋肉運動をつかさり、筋や腱、関節などからの情報を受け、運動に関する指令や、身体のバランスを保つための指令を筋肉に送る働きを果たしています。

この「運動の司令塔」とも呼ばれる小脳は、空を飛び回ることのできる鳥類や、水の中を素早く泳ぐことができる魚類など、機敏な運動をおこなう動物ほど発達しているといわれています。

そして、人間の脳の中で最も大きな領域をもつ「大脳」、全脳の約80%も占めるといわれています。

「大脳」は、感情、思考、創造、言語など、年限らしい精神活動の基本を補うとともに、記憶を蓄積したり、視覚、聴覚、痛覚などの感覚をもとに、身体の運動をコントロールする機能をもっています。

そしてこの「大脳」も、人間の本能的な情動をつかさどる「大脳辺縁系」と、感覚、思考、判断といった人間らしい行動をつかさどる「大脳新皮質」に分けられます。

これら「脳幹」「小脳」「大脳」が、生命維持、運動学習、感覚、思考、判断、本能、記憶など、それぞれの部位で役割を果たしながらも、神経線維で複雑にリンクし、そして密接にネットワークを形成し、連携しているものが脳になります。